植物の病害による世界の農業生産被害は10%~20%と言われていて、これは8億人の食料に相当すると言われている。世界の飢餓人口がちょうと8億人と見積もられていることから、この病害を防ぐことは重要な課題と位置づけられている。
このほど理化学研究所のページに「植物による病原体の認識・応答メカニズムを解明」として研究内容が発表された。
世界で始めて、植物(シロイヌナズナ)について異なる2つの蛋白質(抵抗性遺伝子RPS4、RPS1)が協力して、異なる複数の病原体(R.solanacearum , C.higginsianum , P.syringae )の攻撃を認識し、防御応答することが示された。
つまり、炭疽病菌接種により、普通の野生型は病徴である炭疽病が出現。
抵抗性遺伝子RPS4導入のものは、病徴はないが葉が小さかった。
抵抗性遺伝子RPS4+RPS1 導入であると、病徴がないうえに、はも成熟に成長
斑葉細菌病、青枯病に抵抗性が見られた。
このことから植物の免疫も動物と同じように少ない遺伝子を組み合わせることで多養な病原体を認識して防御形を発動しているのではないかと推測される結果になった。
こういった研究の詳細なメカニズムが今後解明されていくことにより、病害抵抗性の分子育種の研究発展にもつながるといった期待がもたれている。