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昨日、6月1日より改正薬事法が施行となり、一般用医薬品(OTC医薬品)の販売制度が変わったが、猶予期間が設けられているものもありまぎらわしいので、ここで整理してみる。
いろいろ紛らわしいようであるが、ポイントを抑えれば簡単である。 抑えるべきポイントは、次の3つ。 ★情報などソフトに関連したものは待ったなし(2009年6月1日から施行) 陳列、情報提供、専門家の区分(バッチ・名札など)、専門家による販売、医薬品の管理 ★許可に付随したものは3年の猶予あり 構造設備、営業時間等の体制、店頭掲示は構造設備と考えれば猶予期間ありととれる ★離島・継続使用者など俗に言うネット販売関係の猶予期間は2年 ●情報と許可、両方に関係するものは、情報を優先 例えば、第一類医薬品の配置について、区画を作るのは構造設備になるので猶予期間3年と思いがちであるが、陳列や情報提供は情報面の問題であり猶予期間なし。 区画を作成し許可を得るまでには猶予期間が3年与えられるが、第一類医薬品を生活者の手の届かないところに陳列し、薬剤師の情報提供をもって販売するというソフト面については、待ったなしである。 次に、改正薬事法が施行されることによって何が起きてくるのであろうか? 異業種のコラボなどが戦略の一つとして検討されている。 もともとチェーンとコンビニは医薬品販売では商売敵で競合関係にあるという見方もあるが、対コンビニというより対他社チェーンという考え方をすれば、一つの立派な戦略といえる。 一例を挙げれば、アインファーマシーズがセブン&アイ・ホールディングスとその子会社イトーヨーカ堂、セブン‐イレブン・ジャパンと共同で、ドラッグストア運営等の合弁会社「セブンヘルスケア」を昨日6月1日に設立した。 調剤薬局チェーン最大手としてのアインの専門性、セブン&アイの多業種にわたる強固なネットワークという強みを生かし、新たなビジネスモデルを構築することが、相互の企業価値向上につながると判断しているようだ。 仕入れ・物流の総括による効率化、PB商品の開発、ネット販売とのすみわけなどいろいろ考えられる。 競合してしまう部分と、相補できる部分とのバランスをどう考えていくかである。 コンビニで今までよりも医薬品の置かれる率が高くなってくると、有名ブランドとそうでないものがはっきりし、より格差が広がってくるであろう。コンビニのような狭い面積のところでは、多くの製品を取扱えない。かぜ薬から2~3製品、胃薬から2~3製品ということになると、有名なブランド製品しかコンビニ店頭で置かれないことになる。 規制緩和で今までコンビニで売られていた医薬部外品や健康食品も、医薬品が入ってきた分はじき出されることも予想される。 例えば胃腸ドリンク(医薬部外品)だ。コンビニで胃腸薬の医薬品が置かれるようになると、はじき出される可能性がでてくる。登録販売者を置かず医薬品を販売しないコンビニとのすみわけを考えざるを得なくなるかもしれない。 また、ネット販売可能な第3類医薬品を中心に価格破壊が起こってくる可能性もある。ネットでより安い店舗から購入できるとなると、ネット上での安売り合戦がはじまる。その影響をもろに受けるのが第3類医薬品。この影響が第2類医薬品や医薬部外品、さらには健康食品にまで広がっていくことになるだろう。 そして、医薬品とかぶるような内容の健康食品は、トクホのようにエビデンスがしっかりしているものは別として、医薬品にとって変わられることも十分考えられる。 薬局チェーンとコンビニとメーカー共同でPB製品の開発なんてのも考えられるようになるだろう。メーカーはPB製品を共同で開発することで店頭取扱いの安定化を図る。販売側は、価格を下げることでよりよい消費者サービスを図れる。チェーンとコンビニで共同のPBブランドとすることで認知度をあげることができ、シナジー効果が期待できる。 さらに、郵便や預金などいろいろなサービスを取扱っていて24時間営業している手軽なコンビニ、チェーンはここに登録販売者を提供することにより、、店舗数の多いコンビニを販売スタンドとして利用するということも考えられる。昼間は薬剤師もいてきちんとより専門的な説明が聞け、調剤もしていて品数も豊富な薬局へ、緊急時はコンビニへ・・・ おすすめは共同グループで薦めているこのPB商品。 メーカーの協力で第3類医薬品については、ネット販売もしています。他の商品とあわせ郵送もいたします。といった具合である。 不景気なご時勢、消費があがるとも思えずパイの奪い合いになるだろう。そんな中、チェーンとコンビニは競合となるという考え方もあるし、グループとして協力しグループとしてサービスを充実し認知度を上げ、他のパイを奪い取るという戦略もあるだろう。 いずれにしろ、近所のコンビニがいっせいに医薬品を売り出すということではなく、徐々に成功事例をみながら医薬品を取扱うコンビニが増えていくという流れになっていくのであろう。
by yakuji-info
| 2009-06-02 07:13
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