中医協の診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会が開催され、「包括払い方式が医療経済及び医療提供体制に及ぼす影響に関する研究」班では、調整係数などDPCの見直しについて具体的な検討を行っていることが示された。
まずは、DPC(Diagnosis Procedue Combination)の簡単な説明であるが、平成15年4月に特定機能病院等に導入された、急性期入院医療の診断群分類に基づく1日当たりの包括評価制度である。対象病院は平成15年で82施設であったのが平成20年では718施設になっている。さらに準備病院が710施設ほどある。
包括評価制度における診療報酬は、「包括評価部分」+「出来高評価部分」となる。
包括評価部分については、入院基本料・検査・投薬・注射・診断群分類毎の1日当たりの包括評価・医療機関別係数による評価・調整がある。
医療機関別係数は、機能評価係数と調整係数の合計によって決められる。
出来高評価部分については、手術料・麻酔料・医科点数表に基づいた評価がある。
これについて現在検討されている内容が次のとおりである。
(1)プロセス
手術・処置、化学療法のばらつき、診療プロセスの妥当性評価、包括範囲についての検証
(2)ケースミックスとパフォーマンス
複雑な傷病の診療評価の「複雑性指数」の他、「効率性指数」、「稀少性指数」
重症肝じゃへの対応状況としての副傷病スコア
(3)ストラクチャー(構造)
施設の外的基準としての構造や人的資源等の調査
望ましい5基準(緊急医療、ICU、画像診断、麻酔、病理)の状況
診療情報の質の評価(EFファイルの適切性、ICD10コーディングなど)
(4)地域での役割(貢献度)
患者シェア、専門性、稀少性の高い疾患、難易度の高い手術など
さらに平成20エンド診療報酬改訂の項目としてDPC対象病院について、DPCにおける診療報酬明細書の提出時に、包括評価部分に係る診療行為の内容がわかる情報を加えることが決定され、平成21年1月診療分より、各医療機関のコーディングデータを抽出し、将来的にオンライン請求が可能な様式にして、レセプトとは別に電子媒体で提出を求める予定となっている。