このペン型インスリン注入器は、糖尿病患者がインスリン療法において使用する器具であり、インスリンのカートリッジ製剤と注入器が一体となったタイプのキット製剤及びカートリッジを交換できるタイプの注入器がある。
いずれも患者さんが個人専用として使用する器具であるが、使用時に血液がカートリッジ内に逆流した場合、感染症の原因となる可能性があることから、複数の患者に使用しない旨が添付文書中に記載されている。
しかし、大阪市内の病院で、入院患者63人に対し、看護師が注入器を使いまわしていたこ
とが、大阪市の9月の医療監視業務で判明した。
これを受け、厚生労働省の医政局と医薬食品局は改めて医療機関に注意を促すよう都道府県に通知するとともに、製造販売メーカーにも医療機関に注意喚起するよう指示を出した。
(医政総発第1003001号通知・薬食安発第1003001号 平成2 0 年1 0 月3 日)
感染の可能性も否定できないことから注意深く見守っていく考えというが、使われた患者さんはたまったものではない。
監視業務で明らかになったことについては、きちんと監視がなされたとの評価もあると思うが、その前にこのようなことが起きないことが大切ではないだろうか。
なぜ? を追求し、改善策をたてていくことが重要であろう。