スタチン系薬剤による筋障害は遺伝子変異に関連 癌との関係はない。
スタチン系薬剤の筋障害(横紋筋融解壊死症など)は、遺伝子変異に大きく関連しているらしいことがわかってきた。
変異体遺伝子はコレステロールを低下させるスタチン系薬剤の重篤な副作用(筋痛および筋力低下)の原因の60%以上を占めていることが発表された。
スタチン系薬剤(Lipitor、Pravachol、Crestor、Lescol、Mevacor、Zocor)は年間に患者10,000例に1例は薬剤関連の筋障害が発現し、きわめてまれには、この筋疾患は筋肉の破壊と致死的な腎不全につながることがある。
オックスフォード大学の研究者共同研究グループは、大規模な臨床試験において、高用量(80mg/日)のZocorを服用している心臓発作患者に対して全ゲノムスキャンを実施し、筋疾患を発現した患者98例を、筋疾患を発現しなかった患者98例と比較した。
筋疾患は薬剤種の作用であり、SLCO1B1多型性はいくつかのスタチン系薬剤の血中濃度に作用する。
従って、高用量のスタチン投与を開始する前に、患者に副作用のリスクがあるかどうかを調べる遺伝子検査が有効となる可能性があることを示唆している。
一方、スタチン系薬剤の服用中にLDLコレステロール値が最低値となった人では癌リスクが最も高くなることが示唆されていたが、約52,000例の患者を組み入れたスタチン系薬剤に関する15件の大規模無作為化試験のデータがさらに徹底的に解析され、スタチン系薬剤と癌リスクに因果関係のないことが明らかにされた。