厚生労働省研究班による多目的コホート(JPHC)研究から、カルシウムと循環器系疾患リスクとの関連を調べた結果が発表された。
http://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/75/calcium_circulatory.html
これによると、乳製品からのカルシウム摂取が脳卒中発症のリスクを低減するとしている。
欧米の先行研究では、カルシウムや乳製品の摂取と脳卒中・虚血性心疾患リスクの関係の結果は一致いないが、日本人は欧米人に比べカルシウムや乳製品の摂取量が少ないとされている。
そこで2006年に、別のコホート(JACC) 研究から、40~79歳の日本人男女約11万人で循環器系疾患による死亡との関連を検討した。
その結果、カルシウムや乳製品の摂取の多いグループで脳卒中による死亡リスクが低いことが示されたものの、発症リスクについては結果が得られていなかった。
今回の多目的コホート研究では、カルシウム・乳製品と循環器系疾患との発症リスクが検討され、40~59歳の男女約4万人を対象に、食事摂取頻度を尋ねるアンケートを行い、総カルシウムおよび乳製品からのカルシウム摂取量が算出された。これをそれぞれによって5つのグループに分け、グループ間で脳卒中および虚血性心疾患発症のリスクが比較された。
分析の結果、総カルシウム摂取量の最も多いグループでは最も少ないグループに比べて脳卒中の発症リスクが0.70倍と低いことがわかった。また、乳製品からのカルシウム摂取量で見ると0.69倍で、脳梗塞、脳出血のいずれの病型でも低いことがわかりました。
カルシウムサプリでの検討はされていないものの、乳製品からのカルシウム接種により脳卒中発生のリスクが低減されることがわかった。日本人はカルシウムが不足がちといわれるが、乳製品からの摂取は有効であることが分かった。
毎朝、乳製品をとるといった生活スタイルは、脳卒中の発症を防ぐという意味では有効なのであろう。 カルシウムの吸収に関連する低脂肪、マグネシウム、ビタミンDといったものとの摂取バランスも影響があるかもしれない。