英国の大学研究チームが面白い実験をしている。
食堂にドリンクと料金箱を設置し、目の高さ付近に両目の白黒コピーを一週間貼り、その次の週は花の絵を一週間貼った。
これを繰り返し、ドリンク消費量と料金箱のお金を集計したら、花の絵を貼っている週より目のコピーを張っていた週のほうがお金が多く投入されていたという。
では、どのくらい差があったのか?
ずばり約3倍だったそうである。
『ヒトの目』の威力はたいしたものである。理論的には単なる白黒コピーとわかっていても、「他人に見られている」という心理が働くのであろう。その結果より社会的に行動しようとした結果と考えられる。
孟子が唱えていた「人間の本性は基本的に善である」とする倫理学・道徳学説である『性善説』を思い出す。
一見、孟子の性善説に相反した結果という考え方もできるが、「不正を羞恥する心」があるからこそ、単なるコピーでもお金を入れたのではないだろうか?
あらゆる人に善の兆しが先天的に備わっているとする性善説であるが、「善の兆し」は次の四つの心としている。
1.憐れみの心 (他者の苦境を見過ごせない「忍びざる心」)
2.不正を羞恥する心
3.謙譲の心
4.善悪を分別する心
つまり、白黒コピーは、人間が先天的にもっている『善の兆し』を呼び覚まし覚醒させるサポートをしたという考え方もできるのではないだろうか?
私もできていない人間だが、見られていなくても、常に『ヒトの目』があると思って行動することを心がけることが大切ということを改めて感じた研究報告である。