新医薬品産業ビジョン(仮称)の原案が公表されたが、新ビジョンでは、産業の将来像を見直す一方で、継続的イノベーションが必須なことや、医薬品卸の将来像・求められる機能も新たに明示している。
「革新的医薬品・医療機器創出のための5カ年戦略」を踏まえた5年間の集中的なアクションプランも新たに策定されている。
「新5カ年戦略」を基本的に踏襲すると共に、後発品市場の育成、一般用医薬品の育成、流通機能の効率化・高度化も含めた総合的なプランが示された。
特許期間中にリスクとイノベーションに見合うリターンが得られ、かつ特許期間満了後は再審査期間を経た上で、後発医薬品に着実に置き換わる仕組みも検討されていく。
厚生労働省は7月30日、「医薬品産業政策の推進に係る懇談会」で、関係団体から新ビジョンについて広く意見聴取すると同時に、8月9日までパブリックコメントを募集し国民からの意見を聞いていくことになっている。
ブログ内に参考記事
http://yakuji.exblog.jp/5851960 には、医薬品産業の将来像について記載したが、医薬品卸の将来像についても記載してみる。
医薬品卸の将来像
「統合型 : 全国を網羅する大規模な流通網を持ち、メーカー系列を脱したフルライン卸で、高度な情報サービスや情報インフラを持つ」、「連携型 : 特定の地域を商圏としながら、他の地域を商圏とする卸と連携し、グループとして統合型卸に対抗できる機能を備える」、「特化型 : 後発品などの特定の製品分野や、診療所、薬局の個店など特定のユーザー、特定の地域に特化し、その特徴に合わせた流通網や情報サービスを行う」、「新規複合型 : 医薬品の流通業を超えて、水平統合(業態卸)または垂直統合(製造・卸・小売)の主体となる」、「大衆薬特化型 : 医療保険制度の対象とならない大衆薬等を専門的に取り扱うことで、効率的な事業展開を図る。