眼球内の圧力が正常でも発症する「正常眼圧緑内障」と同じ視覚障害があるマウスを作ることに、東京医科歯科大の田中光一教授(神経科学)らが成功した。正常眼圧緑内障では世界初のモデル動物で、病気のメカニズム解明や新しい治療薬の開発に役立つという。
緑内障は、視神経が死んで徐々に視野が欠けていく病気。国内では最多の失明原因で、40歳以上の約5%に発症し、患者数は約400万人と推定される。7割が正常眼圧緑内障で、眼球内の圧力が高くなる高眼圧緑内障に比べ治療法の開発が遅れている。
田中教授と東京都神経科学総合研究所の原田高幸部門長(眼科学)らは、光の情報を脳に伝える「グルタミン酸」が細胞外で過剰に増えると、神経細胞を死なせる性質があることに着目。グルタミン酸を運んで細胞内に回収し、細胞外の濃度を制御するたんぱく質の機能異常が、緑内障に関係していると考えた。このたんぱく質を作る遺伝子を壊したマウスを調べると、加齢に伴って視覚機能が低下し視神経も萎縮していたが、眼圧は正常だった。
田中教授は「マウスは新薬の開発や評価にも有用だ」と話している。21日付の米医学誌で発表した。
【毎日新聞より引用】
7割が眼圧正常の緑内障であるのは意外であるが、高齢化社会に向け、患者数はさらに増加していくであろう。早く新薬が開発されることを期待したい。