薬局で買えるかぜ薬などで眠くなる原因となっている抗ヒスタミン剤! この作用を応用して作られたのが、ドリエルなどの睡眠改善薬。
かぜ薬には鼻の症状を抑えたりする目的で配合されている。この抗ヒスタミン剤で眠くなるメカニズムが解明されようとしている。
慶應大学大大学院21世紀COEプログラム心の統合的研究センターの研究で、抗ヒスタミン薬が脳の前頭葉の血流に強く影響を及ぼすことがわかった。
抗ヒスタミン薬を投与すると、前頭葉の血流が低下し、眠気やふらつきなどの副作用につながっていることが明らかになり、中枢神経抑制作用を解明する突破口となっていく可能性がある。
ヒスタミンの生理作用は多彩で、神経組織では神経伝達物質として働いており、音や光などの外部刺激や、情動、空腹、体温上昇といった内部刺激によっても放出が促進され、覚醒状態の維持、食行動の抑制、記憶学習能の修飾といった生理機能を促進する。そのため、抗ヒスタミン薬投与によって、眠気やふらつき、認知機能の低下などの副作用発現がみられる。
現在、抗ヒスタミン薬としては、旧世代薬(ケトチフェン、クロルフェニラミン)以外に、最近ではアレルギー制御作用が強く、副作用が少ない新世代薬(エピナスチン、フェキソナジン)が実用化されている。
抗ヒスタミン薬の脳血流に及ぼす影響を調べようと、光トポグラフィーを使って脳血流の変化について12人の患者に、プラセボ、エピナスチン(新世代薬)、ケトチフェン(旧世代薬)の3種類がを投与し実験を行った結果、エピナスチン投与では、プラセボと同様に血流低下は見られず、前頭葉も正常に活動していたが、ケトチフェン投与では前頭葉の血流が低下し、前頭葉の活性化も十分でないことが分かった。
抗ヒスタミン薬服用後に、記憶や集中力を必要とする課題を課す検討も行っており、その成績からも、前頭葉の活動に抗ヒスタミン薬が強い影響を及ぼし、その影響が新世代薬と旧世代薬で異なることが突き止められている。