「PDLIM2」(ピィーディーリムツー)と呼ぶ核内タンパク質が、炎症反応の抑制に必須の役割を担っていることが、独立行政法人理化学研究所の研究で明らかにされた。
生体に侵入した病原体を最初に認識するのは、樹状突起をもつ白血球である樹状細胞という免疫細胞。さらに樹状細胞は、病原体認識に引き続き、炎症性サイトカイン(細胞同士の情報伝達に関わる様々な生理活性をもつタンパク質の総称)の炎症反応に必要な種々のタンパク質を産生することにより、炎症反応を起こす。
これら炎症性サイトカインの産生を誘導するためには、NF-κBという核内の転写因子(特定のDNA配列に結合して遺伝子の発現を制御するタンパク質。)の活性化がきわめて重要であることが知られています。
「PDLIM2」が、このNF-κBにユビキチンという小さなタンパク質分子を付加して、NF-κBを分解に導くことにより、炎症反応を抑える働きがあることがわかった。
抗炎症剤の開発の新たな展開にもつながる可能性ある問題となった。