企業OBを採用しながら、業務内容などの情報開示を拒む「医薬品医療機器総合機構」の姿勢は、安全審査の中立性をチェックする手段を市民の手から奪うものだ。誰が、どの薬の審査に、どのように関与したかなど、最低限の情報が、一般はおろか内部チェック機関の運営評議会にさえ報告されていない現状は、機構の公益性に照らせば、あまりに不十分だという意見があがってきている。
機構の規則によれば、「古巣」と密接に関連する担当部署に配属されたOBは、別の機構職員と合同で職務に当たる。一見、癒着は防げる配慮がなされているようだが、問題は、その「密接かどうか」を判断するのが機構自身であることだ。外部は「きちんとやっている」という機構の説明をうのみにするしかない。
機構の設置法案の骨子も定まっていない2002年8月、厚生労働省は製薬企業に「2002年度の職員数は約240人。2005年度は約370人に強化」など全容を文書で示し、同時期に説明を受けた被害者団体には明らかにされず「企業寄り」と非難を浴びたことから、設置法成立時「業務内容を積極的に公表し、組織や運営状況を国民に明らかにする」との付帯決議までなされている。機構は原点に立ち返り、積極的な情報開示を心掛ける必要があり、できるだけ早期に企業OBの採用を中止すべきだろうとしている。
確かに企業OBの採用であると、中立性ということを考えると問題があるのかもしれない。
しかし、技術という面を考えるとなかなか難しいことであろう。問題は透明性なのかもしれない。