降圧薬やコレステロール降下薬をはじめ、お薬をのむときに医師からグレープフルーツジュースを飲まないよう指示されたことはないだろうか。
実は、このグレープフルーツジュース、薬剤の血中取り込みの効率を上げるため、薬剤の作用が強く現れてしまい、時に危険な副作用が生じる可能性があるためだ。
最近、米ノースカロライナ大学(UCN)チャペルヒル校総合臨床研究センターによって、この原因となる物質が特定され、「American Journal of Clinical Nutrition」5月号に掲載された。実は今までは、グレープフルーツの苦味成分であるフラボノイド類がこの薬物相互作用の原因であると考えられていたが、今回の研究では、無調整のグレープフルーツジュース、フラノクマリン類(furanocoumarins)と呼ばれる物質を除去したグレープフルーツジュース、オレンジジュースを比較した。その結果、フラノクマリンを除去すると、フラボノイド類をすべて残していても薬物相互作用が生じなかったという結果が得られた。
つまり、ほかの果物についてもフラノクマリンの有無から薬物相互作用を生じるかどうかが予測できるということ。フラノクマリンを除去することにより、薬物相互作用が生じないジュースの製造が可能になること。薬剤にフラノクマリンを添加することにより、薬剤の「生物学的利用能」を向上させることができる可能性が出てきたということである。
体内への薬剤の取り込みを増大させるグレープフルーツジュース! うまくコントロールして利用できれば、今後の服薬法について新たな知見が得られるかもしれない。