骨粗しょう症などに予防効果があるとして人気の「大豆イソフラボン」の含有量を増やし、特定保健用食品に申請しているみそについて、食品安全委員会の専門調査会は、「十分な安全性が確保されるとは言い難い」との評価案を大筋でまとめた。
今後、一般の意見を募集した上で評価をまとめ、厚生労働省に通知する。
専門調査会は、1日当たりみそ汁2杯分を摂取した場合について評価。日常的な食生活より、イソフラボンを約42mg多く摂取することとなり、通常の食品に上乗せして摂取する場合に安全と考えられる30mgを超えると判断した。
特に妊婦や乳幼児、小児については、上乗せの摂取は「推奨できない」とした。
イソフラボン強化みそは、みそ製造大手「マルコメ」(長野市)が2年前にトクホに申請した。イソフラボンの一種「アグリコン」を、100g中に通常のみその3倍近い141mg含んでいる。
イソフラボン強化みそについて
(1)1日あたりみそ汁2杯分(34g)をとると、イソフラボン(アグリコン)量が48mgとなる
(2)日常の食生活で通常のみそから摂取する量(6mg)より42mg多く摂取することになる
、と試算。「十分な安全性が確保されるとはいいがたい」とした。
また、別の2社からイソフラボン入りの錠剤もトクホとして申請されていた。これについて安全委の調査会は、1日あたり摂取量目安では30mgは超えないため「適切に摂取する限りは安全性に問題はない」としたが、「妊婦や乳幼児、小児は摂取しない」と表示するよう求めた。
イソフラボンは構造が女性ホルモンと似ているため、加齢による女性ホルモン分泌量減少で進む骨粗しょう症などの予防効果があるとされる一方、過剰摂取によりホルモンバランスが崩れる可能性も指摘されている。
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