検査のため腕などから採取した血液には皮膚の消毒用エタノールが混入している可能性があり、飲酒運転の捜査に使うと誤判定の恐れがあるとの研究結果を、勝又義直 名古屋大教授(法医・生命倫理学)らのグループがまとめた。
今後、採血の方法など検討する必要がある。
採血実験でも、酒気帯びや泥酔に匹敵するエタノールの混入が確認され、日本法医学会理事長の勝又教授は「エタノールを含まない消毒液を使うなど、早急に対策を検討する必要がある」と指摘。
警察庁は「混入防止は従来、基礎的な留意事項とされている」などとしている。
交通事故で運転手が負傷すると治療が優先され、飲酒運転の疑いがあっても呼気検査ができないことがある。この場合、搬送先の病院で検査のために採取した血液などの任意提供を、警察官が病院に求めることがある。
エタノールが乾燥した後に注意深く採血すれば、ほとんど混入しないが、エタノールを含んだ消毒綿で押さえたり、注射器のピストンを引きながら針を抜いたりした場合は、混入しやすかった。
混入濃度はさまざまだが、酒気帯び運転の規制値である血液1ミリリットル当たり0.3ミリグラムを超えることも多く、泥酔に当たる同2.5ミリグラムを上回るケースもあったという。
今後はこういったことがあることを現場の医師や看護婦、臨床検査技師などに徹底していく必要があり、教育も必要になるのでは。。。