平成17年12月12日 第30回会合結果
「大豆イソフラボンの安全性評価について」(第30回会合修正案)について
骨粗しょう症やがんなどの予防効果があるとして人気のある「大豆イソフラボン」について、食事以外のサプリメント(健康補助食品)などで摂取する場合の安全基準を検討していた食品安全委員会の専門調査会は12日、1日の摂取量の目安を30ミリグラムとすることで大筋合意した。
30ミリグラムは、ほぼ豆腐半丁分(約150グラム)に含まれる量に相当する。
イソフラボンは、化学構造が女性ホルモンのエストロゲンと似ているため、加齢によるエストロゲンの分泌量減少で進む骨粗しょう症などの予防に効果があるとされる一方、過剰摂取すると逆に発がんの危険性を高めるとの研究結果もある。
調査会は昨年、イソフラボンを強化した錠剤などが特定保健用食品に申請されたのを契機に安全性評価に着手。閉経前の女性にイソフラボンを投与して血液中のエストロゲン濃度や内分泌機能への影響を調べたデータなどから、食事以外の上乗せ分として30ミリグラムを有効性と安全性の両方を満たす値と定めた。
一方、国民の大半が日常の食生活で摂取しているイソフラボンは1日70ミリグラム以下で、この範囲では明らかな健康被害は出ていないとして安全に摂取できる総量を70-75ミリグラムと推定。平均的な食事では、豆腐や納豆などの食品から1日16-22ミリグラム摂取していることから、サプリメントなどでさらに30ミリグラムを摂取しても、安全な量を超えないとした。
調査会は「上限値を超えて摂取しても、すぐに健康被害が発生するわけではない」としている
大豆イソフラボン 大豆胚芽(はいが)に特に多く含まれるポリフェノールの一種で、体内で女性ホルモンと似た働きをする。骨粗しょう症の予防や改善、乳がんや前立腺がん、心臓病の予防、高血圧の改善などの効果があるとされる。配糖体と呼ばれる体内に吸収されにくいタイプと、アグリコンと呼ばれる吸収されやすいタイプの2種類があり、今回問題となったのはアグリコン。
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特定保健用食品では、一日の目安量が30mgを越えているものもあるが、このあたりは特定の保健の目的として使用される特定保健用食品としてどのような扱いになっていくのか、注目していく必要がある。