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羽田空港に到着した45歳の男性ジャーナリストに、エボラ出血熱の疑いがありというニュースが日本中をかけまぐり、翌日、検査の結果、陰性であることが確認されました。
エボラ出家悦熱は、日本における感染症法においては『1類感染症』に分類されています。これは感染力・罹患した場合の重篤性等に基づいて総合的観点からみて、危険性が極めて高い感染症です。ちなみに少し前に話題になったデング熱は、広義ではウイルス性出血熱になりますが、症状が比較的重くなく出血性ウイルス疾患として感染症法では『4類感染症』の取り扱いになっています。 エボラ出血熱の検査は、実際に感染していても発症後3日程度は陰性の結果がでることがあるので、このジャーナリストは引き続き入院して経過観察をすることになりました。 エボラ出血熱の初期症状は発熱・筋肉痛・関節痛などで、その数日後に下痢・嘔吐といった症状が出てきて急激に感染力が高まっていきます。 ヒトからヒトへの感染は血液、体液、排泄物等との直接接触によるもので、空気感染は否定的であることや、ジャーナリストの症状は発熱だけだったので、仮に感染していたと仮定しても、飛行機の同乗者が感染している可能性は極めて低いと言えます。 実際に、その診断や検査はどのようになっているのかというと、国立感染症研究所から『エボラ出血熱診断マニュアル』が出されています。 http://www.nih.go.jp/niid/images/lab-manual/ebora_2012.pdf ★エボラ出血熱についての簡単なおさらい ●7つ種類しかない第1類感染症にあたるウイルス性出血熱 エボラ出血熱は、エボラウイルス(フィロウイルス科)による熱性疾患で、発熱や筋肉痛、臓器出血、血圧低下等を起こして重症化し、ショックにより死亡してりする重篤な感染症であるウイルス性出血熱の一種です。 感染症法では、感染症の種類をその重篤度・重要性により1類~5類に分類していますが、エボラ出血熱は一番重篤で厳格な対策・措置を必要とする第1類感染症としています。 第1類感染症に該当するものは7種類しかなく、そのうちの5つ(エボラ出血熱、マールブルグ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、ラッサ熱、南米出血熱)がウイルス性出血熱で、他の2つは、痘そうとペストになっています。 ●エボラ出血熱の症状と潜伏期間 潜伏期間は2~21日で、平均約1週間で、発症は突発的に起こります。 2~3日で急速に悪化し、死亡例では約1週間程度で死に至ることが多くなっています。 症状は、ほぼ必発といわれる発熱に加え、疼痛(頭痛、筋肉痛、胸痛、腹痛など)、無力症が多くなっています。 局所の血管からの出血により、臓器出血や点状出血が見られ、目などの粘膜出血を起こしたりすることもあります。 ショックやDICにより死亡することが多い ●エボラ出血熱での致死率 死亡の原因は、ショックやDICによるものですが、出血は主症状でないこともあります。 致死率は、20%という報告もある一方、50~90%と言われたりもしています。 エボラウイルスは、モノネガウイルス目 (Mononegavirales)のフィロウイルス科 (Filoviridae)の中のエボラウイルス属 (Ebolavirus)で、5種類があります。 〇ブンディブギョエボラウイルス(BDBV)(Bundibugyo ebolavirus) 〇スーダンエボラウイルス(SUDV)(Sudan ebolavirus) ヒトの致死率50% 〇ザイールエボラウイルス(EBOV)(Zaire ebolavirus) ヒトの致死率90% 〇レストンエボラウイルス(RESTV)(Reston ebolavirus) フィリピンと中国で発見。 ヒトに感染するも、発症者や死亡者の報告なし。 〇タイフォレストエボラウイルス(TAFV)(Taï Forest ebolavirus) ●エボラ出血熱の検査 現在、日本ではBSL4施設でのレベル4病原体の取り扱いが承認されていないため、国立感染症研究所では、組み換えウイルス蛋白を用いた血清診断法、これらに対する単クローン抗体を用いたウイルス抗原検出ELISA、RT-PCR法による病原診断法が行えます。つまりここが日本で唯一、エボラ出血熱の確定診断ができる施設になります。 確定診断するための検査としては次のようになります。 血液、咽頭拭い液、尿を検体として ①分離・同定による検出 ②ELISA法による抗原検出 ③PCR法による遺伝子の検出 血清を用いて ○蛍光抗体法又はELISA法によるIgM抗体・IgG抗体検出 PCR法で陽性なら、エボラ出血熱と確定診断がつきますが、エボラ出血熱は、発症(通常は発熱)から72時間以内は、血液中のウイルス量が少なく、感染していても陰性と出るいわゆる「偽陰性」になることが多いことから、ジャーナリストも経過観察になっています。 今回、PCR法による検出に時間がかかったのは、RNAウイルスであるエボラウイルスの遺伝子を増やすのに時間が必要だからです。 シエラレオネにある「国境なき医師団」のエボラ患者管理センターからの報告では、発症直後のPCRが陰性だった14例のうち、9例が2回目の検査で陽性になったといいます。 一方、米国では、FDAが高信頼度で1時間以内にエボラウイルスを検出できるBioFire社が作った「FilmArray」という検査装置を許可しています。 そこで今回の日本の対応ですが、はっきりいって日本の危機管理は大丈夫なのだろうか?・・・ です。 今回はたまたま陰性だったかいいようものの、過熱報道するマスコミも悪いが、なんでも隠そうとする官僚の隠ぺい体質はいかがなものなのだろうか? 経過をみてみよう 15:35 エボラ出血熱の疑いがあるジャーナリストが羽田に到着 18:25 国立国際医療研究センターに向かうために空港を出る 厚生労働省は、「確定診断が出ていなかったので、国民に余計なパニックを呼ぶとして、発表するつもりはありませんでした」としている。 19:00を回って、一部マスコミが騒ぎだす。 しかし一部の報道にかぎつけられると、 官邸は、塩崎厚労相に、「このままだと報道が過熱するので、一度、水をかけた方がいい」と会見を開くように促した。 隠すから、下手に報道に勘ぐられ、国民が疑心暗鬼に陥るのだと思う。国民の知る権利が問題になっているが、なんでも隠ぺいしようとする政府、戦後に逆戻りしているような気がして恐ろしさすら感じます。 政治家を馬鹿だと言ったところで何も始まらない。政治家だけが悪いわけではない。 何でも過剰に反応し、過熱報道となりやすい日本人の国民性、最も悪いのは国民をあおり変な方向に扇動していくマスコミの体質だと思う。だからこそ官邸からも信頼がなく隠ぺい体質になっていくのかもしれない。 今回は、軽い発熱だけであり、なおかつ検査の結果陰性であったのでこれで収まってきていますが、もし、高熱を出して陽性の人が飛行機に乗っていたらと思うとゾッとします。 ジャーナリストを観察下に起き、要経過観察としたのはファインプレーですが、問題や課題も残した形だと思います。 ジャーナリストが到着してから空港を出るまで3時間、この間に飛行機に同乗していた人はどんどん、あちこちに散らばっていく。もし感染していて高熱を出していたとなると別の対応だったのでしょうけど、果たしてうまく対応がとれたのだろうか。 それにスクリーニングにも問題があります。今回は体温感知器などもすり抜け、本人の自己申告によって発覚している。 エボラ出血熱の潜伏期間は2~21日というので、検疫をすり抜けることは十分考えられます。こんなことで本当に水際対策になるのだろうか? もし本人が自己申告しなかったり、ウソの申告をしていたらどうなっていたのだろうか? さらにきな臭いことを考えると、テロリストがわざとエボラ出血熱に感染し日本に入ってくる可能性だってゼロではないでしょう。きちんと自己申告してくれる可能性だってわからないし、潜伏期間の問題もある。 欧米を中心に、WHOでもかなり危機感をもって報道されているエボラ出血熱であるが、人口密度が高い日本も対岸の火事ではすまされないでしょう。 良い教訓として、しっかりとした水際対策を取ってもらいたいものです。
by yakuji-info
| 2014-10-29 20:55
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