厚生労働省はSJS(スティーブンス・ジョンソン症候群)やTEN(中毒性壊死症)などの重篤な皮膚障害の副作用報告状況をまとめ、
医薬品・医療機器安全性情報第218号に公表した。
2003年10月27日~2005年9月30日までが調査期間。
メーカー報告副作用 : 53,576件
SJS又はTEN : 905件 (企業報告全体の1.7%)
SJS又はTENの転帰 ⇒ 回復・軽減 535件(59.1%)、未回復 56件(6.2%)、後遺症 36件(4.0%)、死亡 95件(10.5%)、不明等 183件(20.2%)
SJS及びTENの被疑薬として報告があったのは273成分でその内訳は、
抗生物質製剤 160件、解熱鎮痛消炎剤 135件、抗てんかん剤 86件、総合感冒剤 57件、合成抗菌剤 40件、通風治療剤 37件、消化性潰瘍剤 34件。
一般用医薬品に限ると、総合感冒剤 36件、解熱鎮痛消炎剤 15件、耳鼻科用剤 2件、漢方製剤 2件となっている。
SJS(皮膚粘膜眼症候群)
体に多形浸出性紅斑、口唇・口腔・陰部などの皮膚粘膜移行部のびらん、眼瞼・眼球・結膜に著明な充血
自覚症状として、
発熱し食欲がなくなり全身がだるくなり、口の中にびらんができ高度の場合は摂食できなくなります。眼症状が出現するとまぶしく感じます。他覚症状としては、
眼部の充血でまず何らかの訴えが感じられる。口唇・口腔びらんがある場合は重症。
原因薬剤の検査としてパッチテスト、リンパ球幼若化試験、再投与試験などが行われている。
まずは、薬剤を中止し、感染症でなければ副腎皮質ホルモン剤の投与が有効。
血漿交換療法なども行われる。
TEN(中毒性表皮壊死症)
皮膚の広い範囲が急速に障害され、紅斑・水疱・びらんを生じる。薬疹の中でも最も重篤な皮膚障害。
自覚症状として、
発熱し食欲がなくなり、高度の倦怠感などがある。
ニコスルキー現象といって皮膚がむけやすくなり、びらんに陥ると痛く、浸出液が多くなり、重症のやけどのようになる。他覚症状としては、
肝機能障害、腎機能障害、急性消化器潰瘍、吐血、下血などの重篤な症状がみられる。
検査として、パッチテスト、リンパ球幼若化試験、再投与試験などがある。
まずは、薬剤を中止し、救命的措置の他に、ステロイドパルス療法や血漿交換法なども行われる。