エーザイ株式会社の米国臨床研究子会社エーザイ・メディカル・リサーチ・インクが、アルツハイマー型痴呆治療剤「アリセプト」の高度アルツハイマー型痴呆の効能・効果の追加申請について、FDAからの通知に基づき、書式の不適合を訂正し、12月中旬を目処に再び提出する。
長年、治療の手立てなしとされてきたアルツハイマー病は、国内で発売されている薬では、エーザイの痴呆改善薬「アリセプト」が知られていますが、治療薬はまだできていません。
実は、有効なワクチン薬がすでに作られているのです。代表的なものが、アイルランドに本社を置くエラン・ファーマシューティカルのワクチン。しかし、これは患者への臨床実験の結果、5%に重篤な脳炎を起こしたため商品化には至りませんでした。
アルツハイマー病は、アミロイド・ベータペプチドという物質が脳に凝集することで発症する、とされています。
つまり体外からアミロイド・ベータペプチドとともに免疫賦活剤を投与し、体内に抗体を作りだし、その抗体に脳のアミロイド・ベータペプチドを攻撃させるという方法が考えられました。これがワクチン薬です。
そこで重篤な副作用を克服するという課題がでてきてしまいました。
この研究は、日本国内でもかなり進み、国内でもいくつかのワクチンが開発されている。
DNAワクチンは、一回投与すれば、長時間体内にワクチンがとどまり、ゆっくりと効くので過剰な免疫反応を避けることができます。
しかし残念なことに製品化は厚生労働省の許認可を受けての国内販売を考えると、数年後になるかと思われます。
早く有効な薬が上市されれば、医療費が削減されるばかりではなく、QOL(老後のいきいきとした生活)にも役に立つことかと思います。
今後の開発に期待です。