Curtailing effect of awakening on visual responses of cortical neurons by cholinergic activation of inhibitory circuits●研究原文 : Journal of Neuroscience, 2014,doi: 10.1523/JNEUROSCI.0863-14.2014
http://www.jneurosci.org/content/34/30/10122.short私たち人間は、起きて覚醒しているときや何かに注意をはらっているときは、感覚が鋭敏になっていることが明らかにされています。例えば視覚の場合、目から入った視覚情報は脳内で中継され、大脳後頭葉にある視覚野の神経細胞が反応することで最終的に認識されます。このことから最終的にどのように見えるかは、視覚野の神経細胞の視覚刺激に対する反応によって決まると考えられています。
ところが、「視覚野の神経細胞の反応」が覚醒や注意によってどのように変わるのかについては、あまりよく知られていませんでした。
今回、理化学研究所の研究グループが、覚醒や注意によって感覚が鋭敏になる脳のメカニズム解明を行っています。
覚醒状態では、アセチルコリン(神経伝達物質)が活性化し、他の神経細胞の活動を抑える抑制性神経細胞(介在ニューロン)の反応性が増加し、グルタミン酸を放出して他の神経細胞を興奮させる興奮性神経細胞(錐体細胞)の反応が早く減衰します。そのことで次にくる刺激に対して反応しやすくなっていることが報告されました。
覚醒による視覚反応で見ると、覚醒によって前脳基底核が活動し、アセチルコリンが抑制性神経細胞を活性化し、興奮性神経細胞の視覚入力に対する反応を抑制され、そのため次にくる刺激に対して反応しやすくなるということみたいです。