★歯ごたえ・歯ざわり★ よく美味しい食べ物を表現するときに、歯ごたえとか歯ざわりということを言ったりしますが、これは味覚とは別の感覚です。味覚ではないのでもちろん舌で感じとっているものではありません。
では、どこで感じとっているものかというと、これは歯の根もと部分で、歯の根の周りを覆っている歯根膜での圧力感知センサーで感じとっています。そして物を噛むとき咀嚼筋が使われますが、この筋肉を動かすときの感覚で感じとっています。
それでは、総入れ歯になった場合は、どうなるのだろうか。居ればを支える歯肉センサーが、歯根膜センサーの代わりをしますが、感度は結構悪くなるみたいです。
★『歯』を使った名言★ ●明眸皓歯(めいぼうこうし) 楊貴妃が語源になっている美人を現す言葉。
ぱっちりと開いた明るい目と白い歯という意味の言葉です。
中国の詩人杜甫は、「明眸皓歯今何処にか在る」と歌っています。ここで歌われた明眸皓歯は、中国の玄宗皇帝の寵愛を得て、皇后となった楊貴妃を指しています。楊貴妃の美しさに溺れた玄宗は政治を試みず、乱を起こして楊貴妃は殺されてしまいます。
●歯亡舌存(しぼうぜっそん) 歯は強くて堅いが、やがて抜け落ちてしまう。しかし、柔らかい舌は変わりなく機能がはたらくということからきています。
つまり「剛強なものは滅びやすく、柔軟性を持つものは残る」ことの喩えとして使われています。
●馬歯徒増(ばしとぞう) 犬や馬のようにむだに年をとるという意味です。
馬の年齢は歯の摩滅状況で判別するそうです。まさに“齢”で、「馬齢を重ねる」というのも同じような意味になります。
●歯牙春色(しがしゅんしょく) ほがらかに大笑いすることです。
春を迎える晴れやかな正月の如く、歯が輝くほどに笑みを浮かべるということになるのでしょうか。
●唇歯輔車(しんしほしゃ) 密接な関係にあって、お互いが助け合うことによって成り立つことの喩え。