1グラム減塩で脳卒中約1万人減 高血圧学会がキャンペーン
高血圧による脳卒中や心臓病などのリスクを減らそうと、日本高血圧学会(が減塩キャンペーンに取り組んでいる。
国民の4人に1人という高血圧に塩分が影響していることは広く知られているが、
「日本人の食塩摂取は、まだまだ多い。高血圧の人が1日に1グラム減らすだけで、脳卒中患者は約1万人、死者は約4500人減る」といわれている。
日本は食塩の過剰摂取が顕著で、戦後間もない1950年代、秋田県で約30グラムもの塩を取っており「4割の人が高血圧になり、脳出血で亡くなる人が非常に多かった」。
減塩運動が進み日本人の塩分摂取量は80年代後半には一時、11グラム台にまで減少した。ところがレトルト食品の普及などで再び増加。その後、減少に転じたが、2003年は11グラム余りと、世界的にはまだ高い。
このため、日本高血圧学会は2004年に高血圧治療ガイドラインを4年ぶりに改訂。1日の食塩摂取の上限を、7グラム未満から欧米並みの6グラム未満に引き下げた。
高血圧の人が塩分を1グラム減らすと、血圧は約1.2mmHg下がる。たったこれだけで、日本の脳卒中の患者、死者は大幅に減るという。
大規模調査では、50歳の時に血圧が高いほど、脳卒中や心筋梗塞などを発症するまでの「健康生命」は短く、逆に発症後に介護を必要とする期間は長くなる。
まさに「医療費削減」の点からも減塩の呼び掛けは重要である。