老化を防いで寿命を延ばす働きのあるホルモンを世界で初めてマウスで発見し、26日付の米科学誌サイエンスに発表した。
このホルモンを作り出す遺伝子と同様の遺伝子はヒトでも見つかっている。動脈硬化やがん、認知症など加齢に伴うあらゆる病気の予防や治療法開発につながる成果で、老化の仕組み解明にも役立つ可能性がある。
グループは、突然変異したマウスを調べた際、欠損すると通常より早く全身に老化症状が現れる遺伝子「クロトー」を発見。クロトーが主に腎臓の細胞表面に特定のタンパク質を作り出すことを突き止めた。遺伝子操作でクロトーの働きが通常の2-2.5倍となるマウスを作製したところ、寿命が1.2-1.3倍に延びることが判明。クロトーが作るタンパク質の構造の一部が切れて血液中に入り、全身を巡ってインスリンの作用を抑制するホルモンとして働くことを確認した。
インスリンは、作用を抑制しすぎると糖尿病になるが、適度な抑制では寿命が延びることがショウジョウバエやマウスなどで確認されていることから、クロトーが作るタンパク質がインスリンの作用を抑えることで、老化を防止するホルモンとして機能していると考えられている。