アスピリンについて、300,000人の臨床試験において、肝癌の危険率を抑える働きがあるのではないかということが発表されています。
http://health.usnews.com/health-news/news/articles/2012/11/28/aspirin-may-reduce-risk-of-liver-cancer-death-from-liver-disease
さらに、”Long-Term Aspirin Use Linked With Vision Loss: Study ”という
論文
http://health.usnews.com/health-news/news/articles/2012/12/18/long-term-aspirin-use-linked-with-vision-loss-study がある。
どうもアスピリンを長期使用すると視力を失ってしまうということらしい。内容を読んでみると加齢性黄斑変性との関連性について記載があった。
結論から言えば、アスピリンと加齢性黄斑変性との因果関係はきちんと証明できず、またアスピリンを使用した心臓病保護の治療有用性を考えると治療をやめるべきものではないという結論であった。
定期的に少なくとも10年間アスピリンを使用してきた人々が加齢性黄変性を発症するリスクが若干あると研究者が報告している。
米国では成人の推定19%が定期的にアスピリンを使用しているという報告があり、それは年齢とともに増加している。
これは米国では心臓保護のためにアスピリンを服用している人が多いためと思われる。
加齢性黄斑変性の発症率は年をとるとともにその相互関係を調べることの重要性が増してきていると追加している。
心臓発作となる危険率と比較し、加齢性黄斑変性の危険率で予想される増加は考えるに値するか、このデータによって心臓病予防のためにアスピリンを飲むことをやめるべきではないとしている。
5000人の男女のデータが集められ、ほぼ15年の追跡調査で512人の人々が早期の黄斑部変性を発症していて、高齢になってから117人の発症があった。
それによると、アスピリンを飲まなかったグループは、1%以下の危険率であったのに対し、10年間アスピリンを飲んできたグループが黄斑部変性発症の危険率はほぼ2倍となることがわかった。
特に、高齢での黄斑部変性を見たとき、アスピリンを飲まなかった人が0.6%の危険率であったのに対し、アスピリン使用者は発症危険率が1.4%増加していた。
これらの知見は、加齢性黄斑変性とアスピリンの使用の間の関係を示したもので、因果関係は示しておらず、また機序はわかっていない。
もしそうであるなら、心臓発作や脳卒中から人々を守る新しい方法が必要になってくるかもしれない。一方それは時期尚早であるという意見もある。
アスピリン使用のランダム化比較試験で10年の追跡調査においては、加齢性黄斑変性のリスクを示さなかった。
以上のことから、アスピリンと加齢性黄斑変性の因果関係については、気にしたり、それでアスピリンの有益な治療を中止してはならないとしている。