東京大学医科学研究所 先端医療研究センターが、過剰なアレルギー反応を抑える生態の仕組みについて、抑制型レセプターLMIR3/CD300f が細胞外脂質のセラミドと結合して肥満細胞の活性化とアレルギー反応を抑制することを明らかにした。
IgE と抗原が免疫細胞の一つである肥満細胞の高親和性IgE レセプターを刺激すると、肥満細胞は活性化し、ヒスタミンなどの化学伝達物質を放出して、アレルギー反応を引き起こすが、一方アレルギーを発症させる肥満細胞の活性化を抑える仕組みについては謎となっている。
今回、ペア型免疫レセプターLMIR/CD300 ファミリーの一つであるLMIR3/CD300f が肥満細胞の過剰な活性化を抑える重要なレセプターであることがマウスの実験で明らかにされた。
ペア型免疫レセプターとは、細胞外領域の構造が似ている一方、細胞内領域の構造が異なるために、互いに正反対の機能を持つ免疫レセプター群。
肥満細胞のLMIR3 とセラミドが結合するだけではLMIR3 のチロシンリン酸化は生じないが、同時に高親和性IgE レセプターが刺激されると、LMIR3 のチロシン残基が強くリン酸化されて、肥満細胞の過剰な活性化が抑えられることが判明した。
脂質のセラミドやその類似体の投与により肥満細胞におけるLMIR3 の機能が強化されれば、アレルギー症状が軽減する可能性がある。