アルツハイマー病(Alzheimer's disease,以下「AD」)は、2008年の国内患者数は225万人といわれており、高齢化社会が進み2035年には445万にに倍増するおいわれている。
アルツハイマー病の主な病変は、老人斑であり、これはアルツハイマー病に特異的で、他の病気には見られないとされていて、最も早期に現れる脳の変化といわれている。
老人斑の形成は、アミロイド前駆体蛋白(APP)やプレセニリン1、プレセニリン2などの遺伝子変異により促進される。
実際、家族性アルツハイマー変異をもつAPP遺伝子を大量に発現するマウスを作ると、脳に老人斑ができ、学習障害を示す。
APPがβセクレターゼ、γセクレターゼによりアミロイドβといわれる蛋白質になりこれがたくさん蓄積凝集することにより神経細胞を死滅させることがわかってきている。
従って、老人斑の形成を阻止するため、アミロイドβのAPPからの生成過程を阻害し蓄積させない(セクレターゼ阻害剤など)か、自己免疫によってアミロイドβを除去する(ワクチン療法)という作用ポイントで医薬品が開発されている。
現在、塩酸ドネペジルがアルツハイマー病に使用されるが病気の進行を遅らせることはできても、治療までにはいたっていない。
アルツハイマー治療薬の臨床治験は現在フェーズIIIまで進んでいるものがあり、5年以内での登場となる可能性もある。
アルツハイマーの確定診断は死後脳の解剖ということになり客観的症状改善を判断する指標の確率が検討されている。
指標としては、PETによるブドウ糖代謝の画像化(アルツハイマーでは大脳辺縁系から側頭頭頂皮質でブドウ糖の代謝障害)、脳髄液の生化学マーカーアミロイドβ(アルツハイマーでは少ない)などが行われている。
このほか、スタチン系の薬を服用している患者にアルツハイマー発症の頻度が低いということも言われている。
さらに市販の風邪薬や痛み止めにも含まれているイブプロフェンが凝集しやすく毒性の高いAβ42産生を抑えることがわかってきている。
以外にもアルツハイマー病の治療薬としてもにわかに注目されている。