寒い日が続いて、体を温めたいなんて思ったりもすることが多い冬場であるが、現在日本で環境庁に登録されている温泉の数は2,400以上とも言われており、これに届け出のない個人所有のものや、掘削中のものを加えると倍以上の数があることが予想されている。これを海外と比較してみると温泉ブームの韓国で300程度、温泉先進国といわれるドイツでも200を超える程度、ビシーなどで有名なフランスでも100程度となっている。定義の違いなどもあったりで一概には比較できないかもしれないが、それにしても日本人がいかに温泉好きで、また日本に温泉が多いかということがいえる。
さて、そもそも「温泉とはなんぞや?」ということに疑問がわくが、これは「温泉法」により、きっちりと規定されている。
温泉とは「地中から湧出する温水、鉱水および水蒸気その他のガス(炭化水素を主成分とする天然ガスを除く)で、」次の一つ以上に該当するものである。
*地中から湧出する際の温度が25度以上
*1kg中に、ガス性のものを除く溶存物質を1000mg以上を含有
*1kg中に、遊離炭素、リチウムイオン、メタほう酸など温泉法で指定された18種の物質一つ以上について、それぞれ設定された基準値以上を含有
つまり、イメージとは違うかもしれないが、いくら冷たくとも上記の成分を含んでいれば、鉱泉や冷泉でも立派な温泉ということになる。
<トリビア : 欧州の温泉療法>
これは有名な話であるが、ドイツでは温泉利用に保険が適用される。ちょっとうらやましい話である。
医師の診断により温泉療養が必要とされた場合、事前の手続きを経れば、健康保険が適用される。ただ、あくまでレジャーでなく療養が目的なので、温泉療法士の指導のもと決められた入浴方法を実践することになる。フランスやイタリアにも、同様のシステムがある。
<温泉の効能表示って薬事法違反?>
温泉には泉質の分析結果表が掲示され、有効成文と効能が記載されているが、これは環境省で決められている。さらに忌避症や飲料の際の注意事項の掲示義務事項が定められている。
「皮膚、リウマチに効能があると標榜する」のは問題ないが、「皮膚、リウマチが治る」とすればやはり問題となる。