新型インフルエンザワクチンの接種が開始されているが、厚生労働省の薬事・食品衛生審議会安全対策調査会は、インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンの添付文書の改訂に同意した。
インフルエンザワクチンについては、国内外の文献やガイドラインを参考に医薬品医療機器総合機構が作成した調査結果報告書をもとに判断した結果、季節性と新型の両インフルエンザワクチンの添付文書の改訂が行われ、医師が必要とした場合、他のワクチンとの同時接種を認めるほか、妊産婦へ「接種しないことを原則」と記載した箇所が削除される。
同時接種や妊婦への接種を否定するデータや根拠は乏しく、妊婦の場合はワクチン接種が重症化を防ぐメリットがあることから、接種は医師の判断に委ねるということになった。
またインフルエンザワクチンのほか広くワクチンの保存剤として使用されている「チメロサール」については、「因果関係は示す根拠が得られていない」と評価。妊婦・小児へのリスクは低いとした。
「ニューモバックスNP」(23価肺炎球菌ワクチン)も「追加免疫や再接種を行ってはならない」の部分を削る形で添付文書の改訂が行われる。ただ、2年以内の再接種では、強い局所反応があったという報告があるため、初回接種から十分な時間を空けることを求めている。インフルエンザワクチンと同様に医師の判断で他のワクチンとの併用は差し支えないとしている。いずれにしろ、このワクチン、かなり接種予約があるらしい。
肺炎球菌ワクチンの予防効果は、時間経過とともに減少していき、高齢者には重症化するリスクが増加するため「再接種」の検討が要望されていた。