「終末期医療に関するガイドライン」が全日本病院協会より公表された。
終末期の定義については、次の3つの条件を満たす場合として定義された。
1.医師が客観的な情報を基に、治療により病気の回復が期待できないと判断する
2.患者が意識や判断力を失った場合を除き、患者・家族・医師・看護師などの関係者が納得する
3.患者・家族・医師・看護師などの関係者が死を予測し対応を考える
終末期での治療の開始・継続・中止について
生前の意思表明がある場合と、これが不明確か、ない場合のそれぞれに関して基準や根拠を示している。
*生前の意思表明がある場合
「患者の意思を尊重して対処する」
普段から病気の状況に合わせて事前にどのような治療を受けるのか、あるいは治療の継続を中止するのかなどの生前の意思表明を明確にし、文書に残しておくべきと指摘がある。患者の意思の代弁者などを選定しておくことなどにより、将来の無用な混乱を避けることも重要。
*生前の意思表明が不明確か、ない場合
「本人の言動を常日頃から知っている家族がいて、患者の意思が推測できる場合は、その人から本人の意思を聞く」
本人の意思の代弁者がいない場合は、複数の医師や看護師などが家族を交えて話し合い、治療方針を決定できるようにすべき。
患者家族と医療提供者の間で治療方針の合意が得られない場合は、第三者を含む「倫理委員会」などで検討し、その結論に基づいて対応することが必要。
いずれにしろ、医療提供側と医療を受ける側との間で十分話し合い、双方が納得することが大切である。ここには人間の感情という問題があり、難しいところではないだろうか。