2008年の診療報酬改訂でDPC(急性期入院医療の1日包括評価)に参画する病院の要件を厳しくする方針を固めた。
DPC(Diagnosis Procedure Combination)は、従来の診療行為ごとに計算する「出来高払い」方式とは異なり、入院患者様の病名とその症状・治療行為をもとに厚生労働省が定めた1日当たりの金額からなる包括評価部分(投薬、注射、処置、入院料等)と出来高評価部分(手術、麻酔、リハビリ、指導料等)を組み合わせて計算する新しい計算方式で、DRG(Diagnosis Related Group)を日本流にアレンジしたものであるが、参画する病院による過剰請求といった不祥事がでてきた。
これを受け、病床数を集約化による医療提供体制の連携を図るとともに、徹底した過剰請求を防ぐ動きに厚生労働省がでてきた形である。
DPC対象病院は、2003年4月より全国82の特定機能病院(大学病院,国立がんセンター,国立循環器病センター)の一般病床にDPC(Diagnosis Procedure Combination)による包括的診療報酬制度が導入されてから2008年度までに約730施設が予定されているが、2009年度にDPC病院へ移行する予定の698施設の参画要件は厳しくなる見込みである。(厚生労働省は経済財政諮問会議などで2012年までにDPC病院を1000施設にするとしている)
これに伴って厚生労働省は、2009年度から前年度の収入実績を補償する調整係数を廃止し、病院機能を評価する新たな機能係数(特定集中治療管理料や救命救急入院料など、急性期入院医療の点数を算定している病院を重視)を設定する考えで、これにより過剰な医療をする病院、療養病棟を併設する病院が淘汰されていくことになる。
今後は、手厚い医師と看護師体制で病床稼働率が高く、在院日数が短い病院が残るように淘汰されていくのであろう。
診療収入の減少を防ぐための露骨なアップコーディングはしにくくなっていくであろう。
病態が多様かし、同じ病名でも個々によって状態は異なる。果たしてどこまでDPCが浸透していくのであろう。医療の評価はなかなか難しそうである。