Mevacor(一般名:Lovastatin、日本は未発売)のOTC化を認めるかどうかの審議について、FDAの非処方せん薬諮問委員会と内分泌代謝薬諮問委員会の合同会議が開催されたが、評決の結果、10対2(棄権1)でMevacorのスイッチOTCは認めないという結論にいたった。
服用が必要としない人や本来医師の治療が必要な人が購入したり、また誤った使われた方がされる可能性があるという指摘がなされた。
<指摘ポイント>
購入を希望する(potential customer)1500人の対象調査では、4分の1が心臓病のリスクを持つような対象の人ではなかった。
つまり、不必要な副作用を起こすリスクがあるということになる。
購入を希望する30%の人は、心臓病や糖尿病を持っている、心臓病の発作の経験者など、医師による治療を受けるべき人たちであった。
購入を希望する人の30%以上が既により強力なコレステロール低下剤を服用している。
1日あたり1~1.5ドルの販売価格を予定しているが、同様のスタチンが保険で1ヶ月4~15ドルで供給されている。
米国ではBehind-the-counter薬というカテゴリーが導入され、「スイッチ薬の販売方法は薬剤師を通じて行う」という仕組みが作られない限り、スイッチOTCは難しいという結論なのかもしれない。
日本ではOTC医薬品について、販売制度改正が行われ、スイッチOTC成分は当面第一類医薬品に分類されることになるが、イギリスのように特に指導が必要なスイッチOTC製品については個々に検討会を開き、もっと真剣に検討していくことも大切なのかもしれない。
2009年の完全施行に向け、もうすでに制度が動きはじめている。消費者にわかる情報提供という大きな課題! これが医薬品販売制度の改正が成功するかどうかの大きなカギである。