子どもの体力低下が続くなか、中高校生の持久走の記録の落ち込みが激しいことが、文部科学省の「体力・運動能力調査」で分かった。
調査は05年5月から10月にかけて、6~79歳の7万4194人を対象に実施(回収数7万1542人)。
生活が規則正しい子どもほど、体力が高いことも判明した。
6~17歳の持久力(20メートル往復持久走)を、朝食摂取状況、1日の睡眠時間、テレビ視聴時間(テレビゲームを含む)別に比較すると、男女各年齢ともに朝食を食べる子どもが食べない子どもを上回った。テレビ視聴とのかかわりでは、「3時間以上テレビを見ている」子どもの成績は、「1時間未満」と「1時間以上3時間未満」の子どもを下回る傾向を示した。また、睡眠時間では、「8時間以上睡眠を取る」6~11歳の子どもが、「6時間未満」の子どもを上回る傾向だった。
朝食を食べたから、何時間寝たから、テレビを見たからどうだというのではなく、生活習慣が(体力向上に)好ましいか好ましくないかの問題だと結論づけている。
子どもの運動能力の低下傾向は続いている。調査によると、持久走(1500メートル走)は男子17歳(380.78秒)と同19歳(403.20秒)が過去最低を記録。85年の13歳(366.40秒)よりも遅かった。女子では8歳と9歳の立ち幅跳び、17歳と19歳のボール投げが過去最低。
子どもとは対照的に、中高年は体力テストの結果が向上する傾向にあり、男子の40―50代では反復横とびの記録が過去最高となった。
持久走はすべての年齢層で悪化しており、専門家は「精神力も弱くなっている」と指摘している。
現代社会のストレスや不規則な生活が影響しているのかもしれない。また持久走などは、心肺機能はもとよりい精神力も重要な要素になっている。中高年で体力テストの結果が上昇しているのは、この年代層は健康に気をつかいスポーツジムなどで体を鍛えているからなのかもしれない。
いずれにしろ、精神と肉体は表裏一体のもの。また有酸素運動をすることによって脳が活性かされるといったことも言われている。精神・頭脳・肉体は、切っては切り離せないものなのであろう。