日本薬学会医療薬科学部会主催の医療薬学フォーラムが開かれ、臨床に役立つ添付文書の科学的な読み方とその活用について論議された。
「添付文書等による薬物体内動態に関する情報提供の在り方」岡村昇(神戸大学大学院医学系研究科)
情報の読み方にも問題はあるが、添付文書から問い合わせの内容を読みとくことができないものが2割もある。
特に体内動態予測に大切な全身クリアランスのパラーメーターが多くの添付文書に記載されていない。
「薬物相互作用のデータソースを検証する」家入一郎(九州大学大学院薬学研究院)
分子生物学的手法による研究と臨床評価を融合させて理解しやすい添付文書作成を要請。
禁忌と注意の間のエビデンスについても論議。
「副作用情報の解析、規格化と処方設計支援・処方チェックシステムへの応用」大谷壽一(東京大学大学院薬学系研究科)
副作用関連情報の標準化、用語の統一や投与量解析データの収載などを要請。
「製薬企業から見た添付文書」内山明好(株式会社アーテイジ)
添付文書は薬剤の最大公約数的使用方法を盛り込んだもので、個別症例への対応に際しては情報提供を企業に求めるべき。