薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会 乳肉水産食品部会では次のような見解を出しています。
<妊婦の方々へ>
近年、魚介類を通じた水銀摂取が胎児に影響を与える可能性を懸念する報告がなされています。この胎児への影響は、例えば音を聞いた場合の反応が秒以下のレベ1/1,000ルで遅れるようになるようなもので、あるとしても将来の社会生活に支障があるような重篤なものではありません。わが国における食品を通じた平均の水銀摂取量は、
食品安全委員会が公表した妊婦を対象とした耐容量の6割程度であって、一般に胎児への影響が懸念されるような状況ではありません。
一方、日本生活協同組合連合会は、厚生労働省医薬食品局に次のように意見しています。
食品安全委員会から発表された「魚介類等に含まれるメチル水銀に係る食品健康影響評価(案)のポイントについて」では、「通常の食生活をしている一般集団に対しては従来の評価を適用」すると書かれています。
日本人の毛髪中水銀濃度は大部分が10ppm以下であるものの、少数ながら20ppmを超える人もいるという報告(Yasutakeら:Tohoku J.Exp.Med.,199,161,2003など)があることから、従来のPTWIの3.3μg/kg/weekを超えたメチル水銀の摂取をしている人もいると考えられます。したがって、一般人に対しても注意喚起を行なうべきと考えます。