「お薬手帳」は電子版の提供に調剤薬局が相次いで乗り出している。
これで服薬履歴を確かめて患者情報としていく。
SankeiBiz に電子版お薬手帳に関しての記事が掲載されていた。
http://www.sankeibiz.jp/business/news/130120/bsj1301200646001-n1.htm
薬局発行の保険調剤明細書からQRコードをスマホで取得すると、用法・用量などのデータが入り、飲み忘れのアラーム機能もある。
2012年7月には、NTTドコモとアインファーマシーズが組んで、さらにイオン薬局が2012年11月から電子版を始めている。
背景には、政府の「どこでもMY病院構想があると言われ、電子版お薬手帳と電子カルテを双璧として、既に石川県でモデル事業も行われている。つまり一言で言ってしまえば、『医療情報の電子的活用』ということになるだろうか。
ただ、記事によると問題点もいろいろ掲載されている。
*電子データだと文書による情報提供に該当せず、調剤報酬に算定できない。
*電子版システム運用は薬局の「持ち出し」でボランティアのようなものとの声もある。
*薬局により異なるシステムによる複数の規格が出てくると国民に大きな不利益になる
特に最後の件に関しては、日本薬剤師会も厚生労働省も深く懸念していて「慎重な議論が必要」としている。
現在、OTC医薬品のネット販売が議論されようとしているが、その中で一番問題となるのが薬歴管理ではないかと思う。
もし、こういったシステムをOTC医薬品等にも導入し、薬歴管理が行えるとしたら、OTC医薬品との相互作用や重複投与といったところまで、わかりやすくなるということも考えられる。この問題だけで議論ということではなく、OTC医薬品のネット販売については、その情報提供のあり方、サイトのあり方なども含めた形で、すぐには難しいにしても、オプションとして将来的に拡大できるような余地も残しておいても良いのはないかと思う。