厚生労働省の認知症施策検討プロジェクトチームは、今後の認知症対策の方向性をまとめているが、認知症患者に医師が抗精神病薬を投与している事例があることを指摘、適切な治療方法に関し、国内で2012年6月をめざし「実践的なガイドラインを策定し、普及を図る」との考えを打ち出している。
認知症患者への抗精神病薬の投与については、医師が適応外処方を避けるために病名を「統合失調症」などと替えてしまう実態が「少なくない」と言われている。保険診療上のデータとして上がってこないため、頻度や使用薬剤を含めた全容が「把握できていない」。
日本認知症学会など関係学会の研究者を集め、(1)認知症に対する薬物の影響や行動・心理症状に対する適切な薬物治療と非薬物治療についての検証(2)実態調査(3)実践的GLの策定――などを行い、英NICE(国立医療技術評価機構)などにならい、認知症患者の状態に応じた対応策をフローチャート形式でまとめたものをイメージしているらしい。
また厚生労働省は、2013年度を開始年度とする認知症対策5ヵ年計画を策定し、数値目標などを明確に示していく予定になっている。