厚生労働省のホームページにて「平成22年度一般用医薬品販売制度定着状況調査結果報告書」が公表された。調査期間は、2010年12月~2011年2月、調査は調査員が一般消費者の立場で、全国6,829件の薬局・店舗販売業者の店舗を訪問し行われた。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r985200000205gu.html
<薬局・薬店の店舗販売に関する調査>
○第1類医薬品についての説明(薬剤師が、文書で必要な情報を説明する必要がある)
購入しようとした際に「説明があった」・・90.6%
「文書を用いて詳細な説明があった」・・・31.5% (2010年1月~3月は50.5%)
「口頭のみでの説明だった」・・・・・・・59.1% (2010年1月~3月は22.5%)
説明しているものの、文書を使わない薬剤師が増えている。
○第1類医薬品の陳列について
購入者が直接手を触れることができないように陳列されていない・・10.3%
しなければならないが、10.3%の店舗では守られていなかった。前回調査では2.4%にとどまっており、文書による説明と同様、陳列方法も薬事法に基づく規定を守らない店舗が増えていた。
○ 第1類医薬品に関する質問に対して「適切な回答があった」のは75.2%であった。
○ 第2類医薬品に関する質問に対して「適切な回答があった」のは84.7%であった。
<郵便等販売に関する調査>
○ 離島居住者・継続使用者ではない調査員が第2類医薬品を郵便等販売により「購入できた」のは67.4%であった。
この調査結果を受け、厚生労働省は「制度の定着が十分でない」と判断し、自治体に立ち入り検査など監視指導の強化を指示した。今後また監視が強まりそうである。
一方、一般用医薬品によるものと疑われる副作用が毎年250症例前後報告されている。
場合によっては、アナフィラキシーショック(血圧低下や呼吸困難等のショック症状)、肝機能障害等の重篤な副作用が生じ、更には死亡に至る可能性もある。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r985200000205gu-att/2r985200000205nw.pdf
死亡症例の状況(平成18年度から22年度)
総合感冒剤(かぜ薬) :11症例 (中毒性表皮壊死融解症、肝不全、間質性肺疾患、 汎血球減少症等)
解熱鎮痛消炎剤 :2例 (代謝性アシドーシス、ライ症候群等 )
制酸剤 :1例 (心不全)
漢方製剤 :1例 (間質性肺疾患 )
混合ビタミン剤(ビタミンA・ビタミンD混合製剤を除く。):1例 (劇症肝炎 )
催眠鎮静剤、抗不安剤 :1例 (死亡)
死亡症例の報告については、製造販売業者から報告されたものであり、医薬品による副作用と死亡との因果関係が不明のものを含んでいる。
データは、平成23年12月時点での集計値