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いま富山化学の株が上っている。理由はインフルエンザ治療薬T-705の臨床研究だ。
T-705については、科学雑誌natureでマウスを使った動物実験の結果、Oseltamivir、Zanamivirよりもマウスのウイルス量を低下させている。 (Oseltamivir(タミフルの成分)、Zanamivir(リレンザの成分)を投与したマウスのウイルス量は、それぞれ10分の1から30分の1に低下したのに対し、T-705を投与したマウスでは、、ウイルス量が100000分の1以下) 富山化学では、国内では2007年1月24日よりH5N1型を含む広範囲なインフルエンザをターゲットとして臨床第I相試験を開始し、2010年の早いタイミングで承認の申請を目指している。米国においては、2007年3月9日に臨床第I相試験を開始している。 <メカニズム(作用機序)> Oseltamivir、Zanamivirは、ウイルスがもつノイラミニダーゼというタンパク質酵素の働きを止め、細胞内で増殖したウイルスが細胞外に出ないようにする。つまりウイルスの体内での感染拡大を防ぎ、体の回復過程を助ける。 これに対しT-705は、ウイルスが感染した細胞の中に入り込み、ウイルスの増殖に必要なRNA ポリメラーゼというタンパク質酵素の働きを止め、ウイルスが増殖できなくする。ウイルスが増殖できないので、ウイルス感染細胞が体の免疫細胞によって破壊される。つまりタミフルやリレンザと違い、早いタイミングではなくある程度病状が進んでしまった状態でもウイルスを減少させることができる。さらにin vitro(試験管内実験)ではあるが、非常に耐性を起こしにくいともいわれている。 実は、このRNA ポリメラーゼ阻害剤は、エイズやC型肝炎ウイルス性疾患の治療薬では既に実用化されている(ribavirin:レベトール、コパガス)。 <H5N1に対する効果> つい最近、東大医科研の河岡義裕教授、木曽真紀研究員らのグループが動物実験で病原性の強いウイルス(H5N1)にも高い効果があったことを発表している。 ベトナムの死亡・入院患者から採取した2種類のH5N1ウイルスをマウスに感染させ、T-705を用量と日数を変えて投与し、タミフルや無治療群と生存率を比較。無治療群はすべて死んだが、最大用量で8日間治療した群は100%生存。5日間の治療でも5割以上の生存率で、タミフルと同等かそれ以上だったとしている。治療開始時期を、感染後1時間から3日まで変えて調べたところ、治療開始が遅いほど生存率が低下したが、最大用量群では3日後に開始してもすべて生き残った。さらに変異によりタミフルに耐性を持った2種類のウイルスでも、最大用量群は100%生存。タミフルや、低用量群の生存率は低かった。肺の病理検査では、無治療群で起きた肺の障害が、タミフル群や低用量群ではある程度みられたが、最大用量群では全く起きていなかった。 やはり、メカニズムによる違いがでているのかもしれない。 国内では、新型インフルエンザによる死亡の報告が日々増加し、また将来懸念される強毒性のH5N1型のパンデミックもある。ワクチン、漢方薬などいろいろと選択枝はあるが、RNA ポリメラーゼ阻害剤は切望されるところであろう。安全性がネックではあるが早い治療薬の承認を願いたいものである。
by yakuji-info
| 2009-12-23 06:21
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